「あなたには渡さない」
テレビ朝日系 毎週土曜 23:15~24:05
11/10(土)スタート
キャスト
木村佳乃、水野美紀、田中哲司、萩原聖人、青柳翔、荻野目慶子、萬田久子 ほか
スタッフ
原作:連城三紀彦「隠れ菊」(集英社文庫)
脚本:龍居由佳里
演出:植田尚・Yuki Saito
ん~~意外と意欲作。
さすがテレ朝ってかんじ。
軽くもなく、そして重々しくもなく・・絶妙なバランスで描かれてることでも、かなりの娯楽作というかんじ。
いや、主人公の通子(木村佳乃)ではないけど、化けるかもと内心ワクワクするドラマだなぁ。
どうせまたドロドロした愛憎劇なのだろうなぁ~と初回あたりは高を括っていたのだが、意外と骨太なことでもけっこう高まってしまった。
いろんな癖のある登場人物が出てくるのも面白いのだけど、
とにかく心地よさすら感じてしまうほどでもある。
やはりドロドロしいものを見飽きているかんじもあるから、
ドラマもやはりニュアンスが違うものを描かないとダメなんだろうね。
敵かと思われた夫の不倫相手の多衣(水野美紀)と新たな「花ずみ」の女将となった通子(木村佳乃)とが、きっぱりと割り切ったかんじでよき味方となっていくかんじがいいよね。
(まだ、ちょっと敵なのか味方なのか定かでないかんじもあるが。)
とにかく凄みを効かせた演出があっちこっちあることも、かなりの見応えとなってるけど、それがよくありがちな安っぽいものになっていないのがいいんだよね。
ワクワクするほどでもあるが、その後の展開もスッキリとしたものになってるのがよかった。
それにしても厚みの感じられるわき役さんたちでもあるが・・
謎の絵師・・六扇(横内正)やら、
通子の元夫の旬平(萩原聖人)の前板長、秀治(柴俊夫)やら、
さらに・・
旬平の父親の不倫相手でもあった某女将の鶴代(萬田久子)だもんね。
鶴代に腹を立てる旬平が思わぬ行動なことでも、こぶしがあがったところは喜々となってしまったのだが・・不倫相手二人のバトルともなったりするとは圧巻・・。
不倫相手の多衣も今までにない水野さんなこともあって、見応えは十分でもあったなぁ。
もう、とにかく箸休めなものがなくって、画面に釘付けになってしまうばかりでもあった。
まぁ、そんなことでも一生懸命になって作られている窮屈さと重さがあるのが普通でもあるが、今作、、そこもうまいことガス抜きしているんだよね~。
なんだかもう、、かなり娯楽ドラマとして認めたくなっているけど、ただでは転ばない通子の掴みどころのなさもいいし、なんとも得体のしれない純粋さが武器ともなってるかんじがいいね。
大人なドラマというかんじだけど、昼メロというかんじでもあるけど、ちょっと違う、、いや大分違うドラマが始まっていたなぁ。
料亭ものってことでも今作はとくにいいかもしれない。