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ドラマ感想日記~拘りを持たず程よく頑張る

『夜明けのララバイ』感想

■第35回創作テレビドラマ大賞 大賞受賞作「夜明けのララバイ」

 日本放送作家協会主催、NHK・NHKエンタープライズ後援の第35回創作テレビドラマ大賞。その大賞を受賞した作品「夜明けのララバイ」をドラマ化します。
 自傷行為を繰り返す叶江(21)と、不治の病にかかっている緑里(22)。都会の片隅でそれぞれの孤独を抱えて生きる二人の若い女が、ふとしたきっかけで出逢い、芽生える友情。
「生」をもてあましている女と、「生」に見放された女との間 で展開される軽妙な会話から、人の生きる意味は何か、人の幸福とは何かという根源的なテーマが浮かび上がってくるリリカルで感動的なドラマです。

 叶江(谷村美月)(21)は、好きでもない男と関係を持ち、自傷を繰り返していた。ある夜、公園で、不思議な少女を見つける。その少女は公園の砂場に会員証や保険証を埋めて立ち去ったのだ。翌日、公園に行くと、そこにまた少女が。二人は夜の公園で 会話を交わす仲になる。
 少女に見えた女は、緑里(蓮佛美沙子)といい、叶江より一つ年上だった。素性を明かさない緑里に、叶江はえもいわれぬ魅力を感じていく。
 ある日、二人は海に旅する。しかし緑里は急に体調を崩し、苦しがる。彼女は幼いころから病気を患い、公園のすぐ近く の病院に入院していたのだった。「もう会わない。」そう言う緑里に、掛けるべき言葉も見つからず、叶江はその場から去る。
 叶江は、二度の薬物使用により保護観察中の身だった。保護司の助言などにより、叶江は再び、病院の緑里を訪れる。しかし、緑里は驚くほどにあっけらかんと叶江を受け入れ、叶江は拍子抜けする。互いの秘密を知り、二人の友情は深まっていく。
 しかし、緑里の体は次第に衰弱してゆく。そして・・・。
「夜明けのララバイ」HPより 
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/109848.html

まさかこうも泣かされるとは思いませんでした。
緑里(蓮佛美沙子)と叶江(谷村美月)の自然な出会いと別れは、悲しすぎたけれど、叶江の新たな生きる力になっていったような気がしました。
谷村美月さんの茶髪姿が新鮮でびっくりな真骨頂ぶりで、過去を引きずる孤独感も見事にその軽快な言葉遣いしぐさからにじみ出てました。
一方の蓮佛美沙子さんも清らかなハツラツさがやけに、生への貪欲さを引き出していて、はかない美しさを出してました。
もう、ただただ感動の一言です。


緑里(蓮佛美沙子)の印象的な最後の言葉は、多分こんなかんじだったと思いますが、
「何歳まで生きたら幸せな人生って言えるのだろう?。80歳?。79歳は幸せでないのか?  それまでに精一杯生きていたら何歳だろうと私は幸せだったと思う。」
「でもこれ、吉田 松陰も言っていたんだよ。すごいでしょう。」

「もし、いなくなったとしたら、(死んだらって言葉を拒否?した叶江・・)あたらしく生まれ変わってくるらしい。だからきっと見つけてね。」
っと指切りをする二人・・。


何歳まで生きたら幸せといえるのか考えさせられますが、指切りをしてきっと見つけてねという気持ちが切ないばかりでした。

ここらへんの台詞がどう表現されていたか知りたくなったけれど、
やはり選ばれることだけはあるような優れていた部分だったのではと、思えてならないですね。

叶江が孤独だった中で奇跡的に出会うことが出来た緑里は、かけないのない友となっていったけれど、
緑里もそんな叶江の思いを分かちあえる仲でした。
叶江のいつまで話していたいという気持ちが、ほんと切なかったところでした。

海へ二人で旅行したこと。
緑里(蓮佛美沙子)がそこで初めてのキスをしたこと。
(単に口と口がくっついただけの形ばかりだったけど)
雪だるまをつくって、自分のマフラーを首に巻いたこと。

そのどれもが緑里のどうしても最後に叶えたかったことでした。
そう思うと涙があふれるばかりです・・。

ラストのマフラーをしている雪だるまに抱きついて泣き崩れる叶江が、切なさ過ぎたけれど、多分新たな生きる力になっていったと思います。

嫉妬心やあれこれを浄化してくれているという緑里は、
確か200円渡していたと思うけど、これは叶江の分も入っていたのでしょうか・・。

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