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ドラマ感想日記~拘りを持たず程よく頑張る

タイトロープの女 最終回(感想)

「切っても切れない」

ドラマ10が民放ドラマと違う点は、いくつかあるわけですが、
とりわけ演出の違いは大きいと思う。(脚本もですが)
民放の連続ものというと流行り物に徹している分、どうしても雑な俗ぽさのようなものがあるようで、
なんでもそうなのでしょうけど、よく使われるような事柄に甘んじてしまうことが多くなってしまってるかんじを受けますね。

再開シーンで抱き合うといった手法を単に選択しないのもこのドラマらしさなのかと思ったけど、(抱き合うようなかんじではないけれど)
民放では安易に済ませてしまっているようなところってかなりあるようにも思うし(予算もあるでしょうけど)
なんかやすぽくってどうでもいいようなものが多すぎる気がするけど。
まぁ誠心誠意作られたドラマにはそれなりのエネルギーが観る側にも必要なんですが、一対一で向き合うっていうドラマも必用であるし、やはりドラマらしいドラマも観たいわけです。
良し悪しは別にして考えると、
娯楽性を高めたものとしては、ファションぽい見た目だけ重視したドラマもあると思うけど、
やはり「恋愛できいない理由」などなどのような、雰囲気だけは十分あるドラマ、
雰囲気で主に魅せるドラマ=「雰囲気ドラマ」ていうドラマもあるように思いますね。
どちらかというと敬遠したくなってしまいがちなんだけど、良し悪しはそれぞれあるってことで、心を研ぎ澄まして観ていないとわからなくなるドラマがいいドラマか悪いドラマかは、また違う問題なわけです。

さて、そんなわけで今回パンドラの箱がもたらしたことが由梨(池脇千鶴)にどう影響するのか、そして会社の行方がどうなってしまうのかが気がかりな最終回でした。
どうやら30年間暮らしてきたことが十分確かなものとなっているって、それなりに納得したみたいだけど、
由梨は由梨なりに答えを見つけたようでした。

小野田(笹野高史)がまさかの裏ぎをみせたことは、はじめはこの古だぬきめと思ったり、または裏でもあるのだろうかと思ったけど、
堂々としたその様子や、退職届けを持って来た所などは、なんとなく伝わるものがあって、
今まで一言では言えないような思いってものが、小野田にあったとしてもおかしくもないのだろうなーと一概に責めることもできないのではと思ってしまいました。

そして、小野田が由梨と対面する場面では、由梨が実の子でないことを初めて知ったみたいだったけど、
それを知ったことと、大きな懐の持ち主だという由梨の言葉と「今迄ありがとうございました」という由梨の気持ちに、
やがて自分のしたことに気づく小野田が、ちょっとジワっとここは来てしまったけど、
裏切り行為までされて「ありがとう」って思いになった由梨には、なんとも成長が観れた様だったことがうれしくも思えたところでもありました。

なんで恭子は離れて生活することを選択したのかわからなかったけど、
お互いの思いはある程度縮まっていたかんじもあった。
会社が一段落するまでの気転だったのかもしれないな~とか、謎があるのも恭子らしいというかんじなんでしょうね。
ということで、
ラストシーンがやはり一番好きなシーンになってしまったけど、

「あなたのこと、 大嫌いだったわ~」

「最初にあったとき思ったわ。 あ~~あわないな~って。」

「でも会いたかった・・。」

この恭子の独特な言い回しがなんか好きでした。
そして、
傘を持つ手を恭子に近づけ、そっと由梨の反対の手の甲に手を差し伸べる恭子のラストシーンは、なんとも素敵なラストだったし、ちょうど流れる主題歌に熱くなるものがありましたね。
なんかいいドラマの主題歌は、好きになってしまう傾向があるけれども、
ラストに流れた曲が実に染みていました。

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