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ドラマ感想日記~拘りを持たず程よく頑張る

『とんび』 後編 (感想)

重松清の父子物語完結…確かな絆を胸に旅立つ息子、父の声を背に受けて」

ちょっと父子の物語よりも、暖かく見守る仲間や、小料理屋「夕なぎ」のたえ子(小泉今日子)を演じるキョンキョンに魅了されっぱなしだった。

ヤス(堤真一)の不器用な父親ぶりや、その家族を見守る仲間達の物語であるけれど、
どうもやはりヤスと息子の話よりも、見守る仲間達とのことにポイントを置いて描かれているように思えるので、どうしても、そちらの方ばかりが印象深くなってしまったかんじ。

前編であきらかになったヤスが父親に捨てられたトラウマや、
「アキラの母の死の真相」に決着をつけてきたことは、それなりによかったけれど、
どうもあまり心揺り動かされなかったかんじもあって、
一連の物語が淡々と動いていったというかんじもありました。

昭和な雰囲気をということで、やはり多かれ少なかれ、ドキュメント風になってしまったのかもしれないです。

もう少し揺り動かされる、父と子の生活ぶりが見たかった気がしてしまうけど、
気持ちを出さない、仲間にもお酒でごまかすヤスにやっぱり、感情移入は出来ずらかったようで、
その不器用さを見守る仲間達の心意気の方に魅了されてしまったようです。

「お試し期間」をたえ子(小泉今日子)が考えて皆で相談するところや、
海雲(神山繁)が、アキラの母の死の真相をこっそりと言っていたことや、
照雲(古田新太)がアキラをうちの子にもらいたいくらいだと言ってたところや、
アキラやヤスを中心に見守るそれぞれの人物は、みな心優しい人ばかりで、好きでした。

とくにたえ子がヤスのことを心配したり、気遣うところだったり、
ヤスが幼なじみのたえ子をお姉ちゃんと慕う様子などは、たえ子の存在感の大きさやさしさと言うものが、
全体を包んでいたほどだったけど、
小泉今日子さんがなんとも美しく、なんともいえない雰囲気を出していたことが、
うれしかったり、よかったところでしたね。

東京へ捨てた父親に会いにいたヤスが、帰ってきて、
今までヤスに重くのしかかっていた事柄が取り払われたことで、
お姉ちゃん、たえ子のお店の中から見る景色もいいもんだ~って、、
言ったことがなんともやはり清々しくて、
たえ子同様、嬉しさがこみあげるばかりだった。

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